MIKIHIKO KYOBASHI

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子供の頃
サンゴ礁の魚に憧れた

独特な形の椰子の姿に南の島を想像し
椰子の実の果汁を飲んでみたかった

コナウィンドという
上手いネーミングのジュースが売り出されると
買っては南の島を妄想したが

サイパンで13歳の時に飲んだ椰子の果汁と

全然違う味だった

なんだよこれ

熟れた果汁は少し変な味でピロピリした

中のコプラという果肉も熟れたものは
柔らかく美味かった

南の島へ行くと必ず
ナタで割って飲んで
椰子の皮を剥くと
果肉を包む硬い丸いのに入っている

その割ったからをスプーンにし
こそいで食べる

パラオに行くと
ビロンジュの実にサンゴの石灰をかけ
かじると
赤く化学変化する汁が出る

それを噛んでは唾を缶やその辺にペット吐く
ちょっと覚醒作用もある
僕は好きじゃない

フィジーにもカバがある

胡椒科の根を乾かし
何度も木の器で手で
繊維を漉しては絞り
たまにカスが出るとその、繊維状の根の束で掬う
これはこれで作動と違う
独特な作り方

カバの方がその覚醒は強いが
味は泥の味
これも産地により良し悪しがあり
僕のいた村の山は無農薬のもの

村人は楽しいお酒がわり
ケラケラわらい
手を叩いて順番にハイタイド!

とかつがれ飲む

10杯飲むとガボガボで
気持ち悪く吐吐いた

異文化の島の伝統は単純明快でありながら
自然と月や夜の海の音に寄り添う
なくてはならないもの

それに比べジーンズを履いてハンバンガーをかじり
古来の伝統の物語りを失っていく日本

物語は長い時間が自然の中で作った風土の
宇宙との約束を忘れない為の行為である

冷たい風が吹くフィジーの夕暮れ
闇が風を運び
椰子の葉がさされる音が美しい

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