真鶴
真鶴の小さな酒屋さん
幼い頃、6.7歳の頃
真鶴は祖父に夏になると
車で網や水中眼鏡を積んで、砂浜ではなく岩場へいった
子供ながら、岩の地形を覚えていて
満ち潮や風邪で飛ばされない等に
あのへんに、道具を広げる基地を決めて
入る場所や、背の届かない深い場所を気をつけ
ながら
水中をゴムゾーリで岩の上から上へ
これが脱げたり、ねじれたり
マリンブーツ がない時代
足のつま先や横を切り、いつも擦り傷やウニのとげが刺さっていた
祖父は器用を通り越した
本格的に物の構造や、素材の限界や効能を知り尽くし
巨大な水槽や家の大工から、4〜5歳の時に、近所の人が猟で撃った青首(かものオス)をもらい
それをお湯につけて毛をむしり捌き、体に残った血に濡れた
散弾銃を見せてくれた
鍋にしてくれたあの味は忘れない
海でも、海パンで、岩場の見晴らせる場所に
パラソルを器用に立て
何を注意するでも、教えるでもなく
いいか?大丈夫か?なんかのむか?
気をつけろよ
だけで、タバコをくゆらせ、今思えば見ていてくれたんだな〜
長くなったけれど
真鶴は明治天皇が、別荘を作ろうと候補にもなり
この辺りの岩も根府川と同じ、江戸城の石垣に、切られ運ばれた名石の産地
店を開けると
椅子に座り、待ってたわよ〜
マ〜座りなさいと
昔からの知り合いのように
自然な空気で包んだあーちゃん
私ね写真慣れしてるのよ
まってよ
頭に油つけてくるから
と
髪を整え
はい水あぶら
と笑う
カメラを向けると
自然に色々な仕草をする
いろんな取材が来るのよ
鶴瓶さんもきたわよ
全国からね
テレビに出たら
こんな汚い酒屋だけど
日本中から
会いにきてくれるのよ
と
バイオリンの古澤さん?知ってる?
いえ
でも確か
その方の海の家の
前のオーナーは知り合いです
箱根神社へご奉納する御神酒に
のしを貼り
名残り惜しいわね
またきてね
と
余韻を残すお心
なんか私もあんたと初めてじゃないみたい
そんな不思議な暖かな人生は
色々あったんだろうな〜
写真を焼いていきますね