霧の粒


よくもこんなの石段を組み上げたものだと
感心する
山頂には2000回,3000回とこの山に登った方々の石碑がある

雨と霧と風に包まれる鳥居をいくつもくぐり
まるで天国のように彼方まで続く階段

祝詞を捧げ
地球の力と美しさを
人々が今一度思えるように祈る

この地に佇み1300年
幾億人もの今は亡き人々が観てきた
この景色は全てを見
全てを知っている

キリストは教だから
教徒しかいないが
日本には古来からこの地球とともに存在してきた
「ある何か」と神様達とも
上手に溶けあったインドの仏達が
その脇をかため,奥行きをかもしだし

一人の唯一無二の,十字架にくっついたひげのじい様の偶像崇拝とは異界なる
日本では、人には強制も強要もおしつけない
自由に独り山の中に住みながら修行をかさねたひげのじい様

神様は石や風や水であり、先も後もなく
もっと純粋でおおらかな森羅万象で
真理をわしづかみにした
民間信仰とともに育まれてきた訳だ

こうした地球と溶け合いながら護られてきた
聖域を読む力に感心し,感謝した。

うちつける雨も風も受け入れてきた
山岳信仰の美しくも厳しい時間が
霧の1粒1粒に含まれながら
全てを物語る

ゆっくりと時計をはずして
海に山へいくといい

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