知足

1枚目はクック諸島
情報がなくいつかは行きたいなポリネシアで撮りたいと思い
グーグルアースの衛星写真で白波と海の深さや泳げそうな距離を
探り行った。

泳げると思った海は、切り立つ岩場で一度だけ泳いだが
水も濁り、帰れないのではな以下と思う海だった

バイクで島を1周し波はないか〜と思い
海辺のホテルでハンバーガーとコーヒーを飲み
宿家帰る途中

さっき通り過ぎた公園の先の森に
前にはなかった同じレンタルバイクが数台海に向けて停まっていた

もしかして海外のサーファー?と思い
ハンドルを切り海岸へ立つと
素晴らしく遠い海に数点のサーファー!

おっ!
あったあった波が!

急いで宿へ戻り
戻ったのは1時間後

ちょうど泳ぎ出す為に海岸でフィンを履いている
サーファーではなくボディーボーダーが3人上がってきた

こんにちは
どう?波は
流れはある?

ニュージーランド人と地元の若者は
そう悪くはないね

えっ?泳いで行くの?
カメラ?

満ち潮がひいてきているから
気をつけてね

と泳ぐこと15分~〜20分いきなり
深くなる崖ぎわで、ダウンカレントにのまれ
体が縦になる

片手にはカメラを握り
右手で思いっきり水をかき
足をバタつかせ逃げた

怖い!

遥か沖で独り、時間と共に浅くなる海で
日常で使い忘れた、触覚、感覚、鋭い緊張、怖さに包まれ
1波1波果たし合いのような世界
海から海岸へ戻ると決めると
正直早く帰りたいと思い、バイクで宿まで島を半周して帰る道のり
は人生の不思議と旅に来た喜びと
直感のまま生きることの自由を改めて気づく

シャワーを浴びて
充実した疲れに浸った

2枚目は
2015年頃から撮り始めた
日本の聖地

たまたま海に移住したサーファーの友人に
誘われた夕暮れ、サーフィンはせず撮ってみたのがきっかけ
その友人はその海で数年後亡くなってしまう

それ以来
波こそ小さいが冬をメインに海へ行く

寒いを超え、痛い
頭が朦朧として呂律が変になる

澄んだうみで東からきたご来光は美しい

変わらないのは海でゴミを開いながら
祝詞を読んだり、海へ祈ること

そしてまたこの海岸へ
戻れまたらいいな
と呟く

ぶやきや後悔は一切ない

やると決めたら
真っ直ぐにやるだけ

結果どうなろうと
臨機応変、自由自在
海の美しい透明感に包まれ
本当に妙な幸せになる

幸せってなんだか
きな臭いけど

無常の満足感と
生き死にの中の研ぎ澄んだ感覚
を自分で見つけていく喜び

刃風をギリギリでかわして
水中で反転!

日本は刃風をそのまま
2呼吸待って崩れた瞬間の少し前に押す

写真は見ていてはいけない
その瞬間が来る前に押す

ファインダーは一切見ない

それでもちゃんと撮れるときは撮れる

撮れない時は撮れない

人間様の都合の愚かさの訳を知れ

そして無限に存分にあらゆる日の根源はこの
宇宙と海に漂うことにあると知る知る

人生には様々なガイドのような人や友がいる
あの日、あの海にいなければ
友達とも見知らぬ旅のサーファーとも波ともあえない

思ったら行動
頭は捨てて
澄んだことや文句は言わない

黙って一人で海に溶け合う
やがてそれは禅の世界に似ていると気づいていく

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