波と溶け合いたかった

人間界の変な煩わしさや常識から逃げるように

世界中の透明な人を知らない波の中を探した

どう見てもあの波の中を泳げる気がしなかった
初めての日、恐る恐る海へ泳いだ

あの緊張と恐ろしさが今も胸に留まる

波の懐に入るしかない

壁のように迫る波に
退くはない

退く時は
気持ちが負けている証拠
自分に背を向けた証拠

退けば
確実に巻かれ続け
大怪我か
窒息する

ただただ
迫りくる波のお腹に向けて泳いで
勢いよく潜るしかない
生きるすべは自分で実践していく

波の塊とすれ違う数秒
に反転してシャッターを押す
ファインダーは一切見ない

わずか数秒の出来事に何かを探していた

を数えたことはないが1時間波間に浮いて
100回くらいはもぐりを繰り返す

よく何分息を止めてるの?と聞かれますが
ほんの数十秒です

波に20秒巻きこまれると
そうとう危険です

無理に暴れても体力がなくなるだけで
頭が自然に釣りの棒浮きのように上へ向いたら
必死で逃げます

泳いでもぐり
反転したりするので
波に合わせ水流に合わせ
水中で指先から動いています

水に相当慣れていること
度胸一つ大胆にいく
絶対にあとさきは考えない
もし巻かれた場合のシュミレーションをしておく
大波がきたら海底の穴を探しそこへ潜って
爆風を避ける

常に周囲にアンテナを100感ほど伸ばして
風や波動を読む

野生な部分が退化した都会人

海との大切な約束も反故にしてきたことを反省

命は儚いから
その儚さを存分に生きる

自力でひたすら黙ってやる

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