美しい水色の雲が
上から下へ優しく
ゆっくり湧き上がる様にモクモクと全てを包む

あまりに綺麗で
息を止めながら
その雲に入ってみると

それは凄いことに
雲の中は乱気流

右に左にもみくちゃにされ
水中眼鏡が外れそうになり
片手で押さえた

それ以来
このケムケムの中には入らない様に逃げ回るが
同じ波も
同じ位置でも崩れない波

巻かれる覚悟で行く!

確かに考えてみれば
広い海で波が崩れ15m四方が煙に包まれる実態は
煙ではなく

波が水面から水中へ何十トンもの水が爆裂した泡だから
凄いにきまってます

ビルの隙間で呑気に暮らす
昔の日本人とは違う日常の常識で動いてしまう

雨を避け
窓を閉め、馬鹿なテレビをみて
水槽の中で暮らすうちに退化する
研ぎ澄んだ感覚や感応力

陸地の霧の煙は水でできている
海地の煙は泡でできている

なんだ
H2oか

空気の中の水
水の中の空気だな

しかし
押しつぶす圧力と台風の様な力はのっぴきならない
胸にその時の怖さが焼き付いて行く

息苦しい
なんてもんじゃない
サンゴ礁の岩盤に叩きつけられなくてよかった

しかし危ない
波は待ったなしで
何回も来る

酸素ボンベがあれば助かる?

いやいやそれでは無酸素で行きますので
お願いしますと

海に話したことが嘘になる

気絶しそうに苦しいが
我慢して、頭が上に向いたら『必ず水中では頭が上に向く』
その時に一気に水面へ出る

苦しくてパニックになりかけ
無駄に暴れても

酸素と体力が消えるだけ
だが、無重力で買い手に引き摺り込まれる
あの感覚が今も生かさせている

海の撮影は
苦しさとの戦い

己の小ささと滑稽さを笑い

自然界で体の使い方を知る

自然にセンサー?で感じながら指先から水中で動く

古武道と同じ動きと心持ちだと思うが

もしかしたらバレエに似ているのか?

あらゆる美の源はこの宇宙と海にある

人間は何もできない
足さない
引かない

1枚の写真はドキュメンタリーでなくてはいけない

あるがままの悠久の時間と
地球の黄金律の風の中にこの身を投じる

頭で考えたちっぽけな妄想を
一瞬で蹴散らす自分がいた

一人自然界へいけば
自ずと正しいことをする

何が大事で
電子レンジがいかに馬鹿かよくわかる

今日はミッドウェー海戦で
日米多くの若者が命を落とした日
戦争の愚かさ

己の力や相手を現状を客観視すること
最悪の事態を想定して
慎重に大胆に行くこと
人の土地を欲しがってはいけない

地球に線を引いた人間様はいつ現れたのか
海には線が引けません

岸から300mほど、自分以外の人工物のない
沖の波の中を
泳いでみればすべてがわかる

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