間を受ける
崩れる間を「絵」を待つ訳です
波間に漂いながら
沖の盛り上がる波動を読み
一番崩れるであろう場へ泳ぎ
肺に詰めこめられるだけの空気を吸い
息を止めて
崩れるであろう真下に潜って水中で待つ
待つといっても
ほんの数10秒で
頭の上を巨大な水の壁が移動し
さっきまでたいらで透明な水面が
急に縦になりながら
見えない角度で崩れ落ちてきます
そこをすれ違いながら
シャッターを押す
これも36枚フィルムでしたから無駄に押せないので
自然に決め撃ち!でした
すれ違うとは
波は岸へ向かい高速で動いて行くので
僕が水中でホバリングしていてもいいのですが
大きく速い危ない波は
僕の沖へ向かう力と
沖から岸へ向かう波「波動と水流」の
すれ違いになります
その時僕に波に負けない、もしくはかわせる術と力がないと波に絡められ
引きずり込まれます。
もう無重力で
海底に叩き付けられ
運良く怪我をしなくても
それは苦しいなんてもんじゃないです
しばらく体がぐるぐると暗黒の泡から出られません
動いている水と
動いてない水
これから動く水を感じて
瞬時に判断しその線のような場ですれ違うのです
なるべく体力と無駄なエネルギーを使わず
かわすんです
仙人の域ではないですが
これは古い武術の間であり
呼吸であり気当たりとの様なもので
遠くても近すぎても駄目なんです
なんてづっーと後になり気づきました
本人はとにかく夢中でとにかく体で覚え
恐怖に勝つ心臓を作るのが大変でした
だから人間界だと
そう怖い事はなくなりました
地に足が着いていますし
呼吸も出来ますからね
そんな危険でミステリアスな場が海であり
それ以上に美しい感覚で心が揺さぶられます
皆さんも
美しい感覚に生きていますか?
美しい物ではなく
美しいと感じる間です
都会では忘れがちな人間に本来備わっている
フリーダム
自由です