15分
毎日満潮が30分づつ遅くなる
5日目すこし慣れ始めた波で
違う絵を撮ろうと
岸でスローシャッターに設定してみる
サーファーがあがってきた
どう?
「まあまあだね」
目を凝らすと沖には誰もいないようだ
なんだか雨雲が一面を囲い
雨のベールが包む
何分の1がいいのか検討が着かないが20分の1で防水ケースを閉めた
相変わらずクロールで30分位で沖へ
途中背が立つ程で水深は膝くらいになり
ウニや珊瑚を壊さないようにフィンをはいたまま後ろ向きで波を見ながら
歩いた
10m〜15m先から深くなっているようだが
うまく抜けられるか?
ここが一番危ない
ものすごい波が弾け背丈くらいに爆裂している
波が消えたタイミングを合わせ
一気にダッシュで泳いで沖へ向かう
せーの!で
波へジャンプし沖へ
冷たく暗い雰囲気の海は一段と怖い!
誰もいない鉛色の海と波が一列に迫る
風もない沖で透明な箱と雨に閉じ込められた感じだ
今迄にない行きた心地がいがある時間
水中の魚達は相変わらず楽しげだが
こっちは必死だ
待ったなし!の休みない、重く高速の波が続々とグリングリンに
弓矢のように向かってくる
そんな波動をそのつど,潜ってはかわすが
なんだか寒気というか、例の嫌な感じがする
う〜ん
怖い!
なんか危ない感じがする。
常に深みからサメが来ないか浮いてる間も,潜りながらも周囲に目を配り
沖の水の盛り上がりを異常な迄に気にする
張りつめた固い空気に
喉が押され
乾いたが水はない
誰もいない沖合400mの大雨の海は本当に痺れる
流されても死んでも,誰も見ていないから
海のゴミとなりバイバイ
なんども気持ちが潰されそうになり
その度に大声で忍の九字きりを唱え
印を両手で立ち泳ぎしながら組む
どうも
気持ちが
すっきりしない
変な怖さがとれない
戻るか?
いや〜もう少し乗り越えないと
へコキだろ!と戦う
立ち泳ぎで,歩いてきた辺りを見据え
岸に戻れなくならないか観察しては
沖からの波をかわす
潮がぐんぐん浅くなり
その分さらに波が速くなる
帰ろう!
結局ものの15分くらいしか気持ちが保てなかった
そんな15分の中の1枚
ポイント迄往復1時間
ぐっと疲れたが
判断は自分で決める
戻るのも勇気
行かないのも勇気
いったら思いっきりやってこい!
地球とはそいいう場で
生きています