魅力
ここまで泳いで来た
こんな沖で独り不思議だ
遠いな〜
よくきたな〜
自画自賛
何してるんだ俺?
帰れるのかな〜
くっくっくっ
と笑いが湧き上がる
元気な証拠が現れると
細胞も元気になると思う
人間にも研ぎすんだ感覚のあることを思い出し
日常の人間界の暮らしの
あれやこれやはどうでも良くなる
太古と変わらぬ地球に触れると
誰もが嬉しくなる
触れ方は様々
これは上級編というか
普通は安易に行かないように
ライフガードも誰もいない絶海です
誰も助けてくれません
自由の極地に生と死のはざまに
身を置く尊さ
アドレナリンがきました
クック諸島のラロトンガ島
グーグルアースで波を探し
ありそうだから来たら
たまたま一カ所だけあった
しかし!
遠いな〜
と不安に笑ったのが
始まりの一言
沖へ流れるカレントがあり
15分くらいで着いた
(実はこれは帰りが大変を意味してます)
目印が海はにはないから
自分がどこにいればいいのかは
海底や波の崩れるポイントの観察と
神経質なまでの波の崩れる端っこへの出入り
あとは己の泳力と体力の真上に立つこと
ポリネシアの神々に見られているような
怖さと、やたらな気持ちでは来るべき場所ではない
と感じた
浅いサンゴ礁の岩の上に
滑るように現れては消える
波は透明で、どこよりも超高速
街のおかしな暮らしから
本物の天然の海へ
こんな場所に独りいると
生きてる心地がしてこみ上げる
妙な笑いと嬉しさに酔っぱらう
動物というか魚というか
水鳥というか
人間のいない海は
どこかで野生性を思い起こす
時間と共に海の水が減り
どんどん水が浅くなる
あとどの位この場に入れて
果たしてまたあの島へ帰れるのか?
心配でたまらなかった
結局時計を見ながらわずか40分
美しいポリネシアの波の中でいた時間は
今も忘れえない心象と全身を滑る波の速さ
身を以ってし知る
大切な地球との約束
怖すぎてもう行かないかもしれない海
でも後ろ髪惹かれる海
魅力ってそんなものです