変身

遭わなければならない
多くの困難を超えるしかなかった

波が寄せるだけ延々と続き
自分の力を正直に自分にさらけ出し

波をいかに逃げ
波のどまん中に入ること

真逆の中に本物がいる

ここに線がある

それがアジアのタオであり

陰陽

般若畢竟

無生法忍

愚痴は全て流し去る

海に行くことをやめねば
無視できない現実

人間が長くいられる場所ではないのも海の事実

物理的には、所詮敵わない海の力と
泳力の問題

大波に巻かれたら
どうなるのかの片鱗は波乗りで
少しはわかったつもりでいたけれど

泳いでしばらくすると
それは「つもり」であって
人間様の予想など置いてこなければ簡単に
死ぬと笑った

どの程度の大きさの波まで泳げそうなのか?と
今も疑問が付きまとう

正確に胸へ全身から集まる
何かがある
血の気が引くというやつか

ある種の怖さが自分の中に生まれつき持っていて
あるのか?
外的要因で外から、胸に入り込むのか?

波から戻り
雨風のうつ
海の小屋で夜考えていた

通り過ぎられない
目を伏せたら先はない怖さが正面覆いかぶさる

早い判断
考えは捨て
考えるより速く動くこと
ファインダーは見ない

胸がハッとする瞬間に
頭へ行く信号を切り捨て

胸と人差し指と繋ぎ一気に押す

写真はこうして撮るもんだ
泳ぐってこういうもんだ!

と海で独り大笑い

まるで刀で切り
手裏剣を投げるように
水中で、人差し指を腰と一つに動かせる

なんだ
古武道と同じじゃないか
 
教科書にはない体験と確固たる答え

旅も海も独り

独りでできる範囲
誰もいない海で祈り
決心する

自然界に神経を張り巡らせることが
喜びで、それが神々や自然との約束した距離だった時代

自ずと感覚的、感知する力も
今よりもあった

星を頼りに航海したナビゲーター
星の動きが人間界に影響を及ぼすとした昔の中国や日本

陰陽師がいるように
人間には魔術というか、不思議な術が使えるのだが
随分とそうした感情性と力を持つ人が
少なくなった

イギリスや日本にもミディアムと称する
あるレベルの霊能者やヒーラーがいる

僕もそうした知り合いがいて
たまに答え合わせにいかせていただく

そうした見えないが在る

潜在能力というと、鼠講や
ビジネスマンの啓蒙開発的セミナーで
きな臭い

現代の鳥籠のような学校や
ノーをノーと言えなくなった社会で

地球人が自ら蓋を捻ってしまった事

海の中独り
どんなに、胸が締め付けられる思いや
恐怖に支配されそうになっても
限界は自分が決めている

魂が負けないように
自分で自分の背中を押せば

海岸に戻れる確率が急に変わる

何度も変身しバージョンアップし
今は、都会の雑踏に隠れている

海へ行きたいな

竜宮城ってあるんだと思うようになった

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