手始め

オーストラリアを一人旅をしていたのは
1993年

あてもなく
ブリスべン空港から
長距離バスで海の田舎町
バーレーヘッズに向かった

ビザは1年あったが
そんなことより、これから不安しかない

今からどうするのか?

どうしてもここに住みたかった

カメラを首から下げ、巨大なバックを背負いウロウロ
狙われる観光客だなと周囲を気にした

結局午後には奇跡的に
プール付きの家を借りれることに

来る前は頭でごちゃごちゃ考えた自分が
クソだと笑った

やがて4ヶ月
仕事も家のオーナーがオパール屋さんを開き働き

なんだか普通の暮らしになって馴染んでいた

旅のパンフレットを見ては別な場所に行きたいな〜
と南極?7万円?
近いな

なんだか目的は達成した感じがある日

潔く
帰ることにした
一年以内といけないという自分の縛りをほどいた

そんな時飛行機はバリ島に9時間止まる

その時のトランジットが
オーストラリアより電気が走った

昔ながらの、神様を大切にする人々と

懐かしい昔の日本のような景色

山に段々畑のような田んぼや
白鷺がとび、線香がたかれ
神様の寺院で独特な音楽と舞う人々

結果騙されたわけだが

9時間で7000円の高額な、道で声をかけてきたガイドのおじさんの車
から見るガジュマルには黒と白の布が巻かれ
祭壇がある
ご飯が屋台で50円を考えたら
たくましいとも思える営業力

次はすぐに自分独りで車を借り旅をしたい!

そしてバリへの旅が続いていく

まだ90年初めは日本人も少なく
日本の旅の先輩方の第2ジェネレーションくらいで
まだまだ昔のバリがそこかしこにあった

ガイドブックもなく
地図を借りたジブニーでバリ島を一周し
感じのいいところに泊まろうと
見つけたのはサヌールの海岸とウブドのチャンプアン渓谷とモンキーフォレスト

夜屋台にくと
発電機のランプのした
見たこともない料理

ある店で食べていると
ご飯には黒い点々

よく見ると
象虫

おばちゃん!

虫入ってるよ

おばちゃんは

そうか〜
貸してみな〜

となれた手つきで
虫を軽くはらって

ほい!よ
っと普通に返してきた

目の前に座る
外人と笑う

俺にも入ってるよ

ドイツから仕事休んで
3週間一人旅をしているという40代後半の旅慣れたマイク

日本の会社は3週間なんか休めないね

お互いの旅の話をして

またどこかで

と別れた

裸電球の森の屋台

なんだかよかった

星空のモンキーフォレストの荒れた道を歩いて宿へ
帰った

旅は一人に限る

それからはバリとオーストラリアの旅をくり返す

それが今の波の一人旅の原点になろうとは

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