勇気の時間

伊賀

霧が立ち込めた伊賀は赤目瀧

いくつもの瀧が山の隙間を縫うように
点在する秘境

最後までいき
戻ると2時間半くらいか

役の行者が作ったという庵
が始まり

赤い目の牛にお不動様が乗って現れた以来

延寿院の御本尊は赤目不動様

初めておとづれたのは
雨の2013年6/11
御堂は閉まっていたが
住職がたまたま現れ

樹齢数百年の桜と
津島神社と小さな御堂のある山間の山寺

自然に御堂をお掃除させて
いただく流れになり

小さな御堂の御位牌を手に持ち
どなたか存じ上げませんが
お掃除します

呟くと
住職
藤堂高虎さんですわ


高虎さんは
徳川の御伽衆(相談役、城造りや、造園の名人)で
天海とも繋がり
上野に琵琶湖をもして結界を張る為
不忍池と寛永寺を延暦寺と同じいちに
作り日光東照宮も

しかし位牌は
徳川に背を向け配置

江戸では今も残る、駒込の南谷寺に
別荘があり

半分お坊さんで
神仏を尊ぶ津藩の侍でしたが
ある日から、目の病気になり
困っていると

夢にお不動様が現れ
あの悪を斬るり剣で
体を突き刺したという

その刀が朝枕元にあり
家来に探させると
ここの赤目不動の剣だった

そして
高虎さんは
このお寺を菩提寺とし手厚く
護られたそうです

体には100箇所以上の傷がある武人でした

信長にこの寺も含め
伊賀忍や地侍が攻められ焼かれたので
燈篭だけが当時を見ています

その後高虎さんが
元々は平家系の大伽藍であった
僧兵もいた平楽寺が
信長に破壊され焼かれ
700人近くの伊賀の民が
殺された後に伊賀上野城を作り
城主として

生き残った地侍や忍と折り合いをつけ
仲を深めたのでしょう

井伊直弼にうちの忍び40人を返せと
書状があり

信長のジェノサイドの後
政治的も含め伊賀民と
それなりに関係を築いたようです

松島の名月が見たくなって
道祖神の招きが
と言いながら
松島には行かずに全国を俳諧した
あの怪しい松尾芭蕉のお父さんも
無足人(地侍)らしいです
おじいさんは信長側と戦い討死

今京都の古田織部さんの
菩提寺、臨済宗興聖寺が
40年ぶりの一般公開を
今日の冬の旅
JR そうだ京都行こう

3/18まで開催

織部さんは4人の息子たちと共に
家康にうとまれ、嫌疑の末
切腹させられました

言い訳一つ言わず
長男と差し違えたとか

次男、三男は江戸で

四男はお兄さんたちを想い墓前で切腹
それはおそらく大徳寺の真珠庵墓地?

織部さんは大徳寺で得度され
奥様の仙さんが真珠庵の和尚さんに
亡骸はどこへ?と問うと
ここで得度されてますから
こちらでお預かりするのがよろしいのかと
言われ

明智光秀の隣にと伝わっていますと

昨年真珠庵の和尚さんにお聞きしました

五男は大阪城の戦いで討死
ノボリを背負い
お父さんや兄さんの名前を書いて
共に戦ったそうです

そんな彼の
織部焼のお墓は
江戸時代の奇才な画家 曽我蕭白さんの横に

織部亡き後弟子の高虎さんは
屋敷や遺品、茶道具の整理
そして興聖寺のオオダンナとして
織部を弔い、お寺を護ったそうです

当時織部の屋敷は、師匠利久聚楽代と、奥さんの兄弟、茶道のきっかけをくれた薮内さんの近く
今の堀川高校にあったようで

建て替えの際様々な器や遺構が出ましたが
開発でまた破壊して埋めてしまった。
なんとかならなかったものかな〜

伊賀に初めて行き
高虎さんの御位牌をお掃除して話かけ
その後伊賀忍者の亡くなった山城の供養へ
それが2013 年6/11

1615年6/11が織部さんの御命日

398年後に
高虎さんのご縁やら
高虎さんに仕組まれたやら

よくわかりませんが

華厳経にも出てくる
南の海のし修行僧 海雲比丘の
物語りが静かに呼吸する京都に

斬新な青い波の14mの襖が現れました

目にも、数字にもできない
不思議なことに包まれ生きることが
この宇宙と日々の暮らしが、幸せに豊に
なることの証明です

大自然に身を寄せ
心を寄せる時間を
現代人はもう一度
深呼吸

興聖寺では座禅も
望月ご住職が体験させてくれます

旅を続けることが仏道で神道
の悟りの様々な道

神仏は自然界と寄り添い
私たちをレントゲンのように見ています
自然界が神仏を受け入れていて
先にあったの自然と呼ぶ前の国土

海が流れ日月が循環する
地球という宇宙の海に漂う島を人間は星とか
買って命名

ホピ族のいう
コヌングヤプトー完全なる調和の世界

は禅に通じる世界なのでしょう

禅が一番とは言えません
日蓮宗でもなんでも
手段と方法の違いだけです

願うのは国の安泰
宇宙の安泰
人々の幸せ
家族や仲間

伊賀の民が強い力や朝廷や東大寺の圧力
大名の脅しや年貢や武力にも負けず
長いものには巻かれず

日本が六十六の国に勝手に分断され
ながらもどこの大名にも属さず

最後まで勇気と正心で唯一戦った
尊い最後のもののふの国です

日本人に今は消えかかる勇気

そんな太古から変わらぬ
霧の立ち込める忍者の山の1枚
です

長くてすみません。

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