出雲の海で
水は記憶を持ちながら
その地とつながる場で全ての
生命の動きを観ている
水の分子が固まり
密度を保ち
高いところからは流れ(川と呼ぶ)
低いところ(海という)に
海の場合は押し合いへしあい
死滅回遊魚や椰子の実が届くので
潮流が地球を旅するのは間違いないが
どうも水はその地の記憶や
個性を留めている気がする
祈りも聞いているし
海に注いだ御神酒も飲んでいる?
謎があるから良い
人間が宇宙の全てを知ることなどできません
それでもまだいろいろ欲しがる人間界
美しい審美な風に心傾け
海の夕暮れの冷たい水と潮風の
怖さを知れば
己の小ささを知ります