見られている

誰もいない
タヒチの近く
 
さっきバイクを止めた海岸は
重力を感じ歩いていたのに

そのまま歩いて水に入ると
体が浮いて無重力で足の使い方が水平になる

陸からは頂上付近しか見えなかった
切り立った緑の山の全容がはっきり見える

もはやこれまで
の覚悟で集中力と勇気を集める

だから浮き世で怖いものなど何もない

ギリギリの中に何かがあると信じ

黙って沖で俗気を捨てていく

人生の大切なことを
宇宙は示してくれる

海は生きている
海は見ている

Back to list

ページの先頭へ戻る