茶室

茶室とつながる広大な海
外国からきた茶売り
売茶翁
若冲や富岡鉄斎が絵に描き

栄西が宇治の山で
養殖に成功し
楽しみと健康に
武士好みの死生観や瞑想坐禅と結びつく

臨済宗が特に足利の後押しを受け
京都発のセンセーショナルをいっそう色付けた

日本の風土、武士により
独自の作法と空間づくりが息づいてきた

現代は流派が増えて
宗家やら家元やら
弟子がいい茶碗を買うと
茶碗屋と先生が蜜月の中へ

お茶の世界はなかなかどうして

利久が「にじりくち」を考案したらしいが

刀を外す場
密談の場
心を整える場
息抜きの場
楽しむ場
考える場
習い事の場

小さな和室に
削ぎ落とした美意識を空想ししつらえ
茶道という独自の宇宙が
織り成されてきた場は

黎明の海の中に似ている
出入りを繰り返しては
自己を見つめさせられる自由な茶室

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