kaiun

この地の南方にサーガラムカ(海門)という国がある
そこのサーガラメーが(海雲)比丘(出家修行者)がいる
この比丘に菩提の道をいかに修すべきか尋ねよ

良家の子よ
私は海門の地で十二年、大海を見つめた
大海は無量無辺である。

深さは量りしれない。
この大海の底に私は思念を向けた
海底は思念が届くにつれてさらに深くなり
無量の宝石で飾られているのを見た。

この大海には
あらゆる河川の川が集まり
無量の海水をたたえている
この大海の水はいろいロナ色彩をもち
巨大な生き物もいる

大きな雲に覆われて雨が降り
海中に水が充満しても

大海の水量は増減しない
そのことを私は見た

この大海より広く、深く、美しい海が他にあろうかと
その時私は、海底から蓮の茎が伸びて
海上に大きな蓮華が咲くのを見た。
・・・・・

良家の子よ
この海上の蓮華に坐す如来から聞いた言葉は
普賢教という。
あまねく(普)見る眼を得る法門である

華厳経「入法界品」
現代語訳 大角修著

華厳経は60~80巻に及ぶ長大な教典で
その最後が「入法界品」だという

善財童子が菩薩の行法を問うため53人の善知者(師友)をたずねて旅をする
話で
このことにちなみ東海道53次の宿場がつくられたという。

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