そくす
写真は子供の頃
35mmのピントもいい加減なコニカのカメラ
に親がフィルムをつめ
渡してくれた
近所のスーパーカー?
アルファロメオの
マークやホイール
とても見れたもんじゃない
特別写真が好きでもなく
青い帽子が欲しくて
野球に興味はないが
中日ドラゴンズのキャップをかぶり
誰かのお土産のグアム島のtシャツ
とにかく勉強と集合写真
学校のプールの時間と先生
とりわけ運動会が大嫌いだった
椅子に固定され
競い合うこと
順位がどうやら
どうでもよかった
水槽のめだかじゃないんだぞ!
が
小学生のひそかな格言
やがて
カメラをもらい
オーストラリアへ1年行くぞ!
とチケットだけで行く
不可思議なきっかけに乗っかり
その日に家まで見つかる
人生はなんでもやってみないと
わからないもので
頭でぐちゃぐちゃ考えてた自分が
馬鹿だと知る
そのたびのスタイルは今も健在
ガイドブックも下調べも一切したくない
その時の流れと、自分で選んだベットと景色が
何より
車にもナビはつけない
クーラーは外し
電子レンジはいらない
マクドナルドとコンビニの弁当は絶対食べない
波の旅の始まりは2001年
波の旅の始まりの予兆は40年前の数日間お世話になった
パラオのホストファミリーあきをさん
海の男でざっくりしながら、瞬時に周りに気を使える
暖かさ満点の男
死は突然スコールのようにくる
後悔は先に立たず
会える人とは会い
なりふりかわまず旅へ行く
カメラの師匠はこれまた大胆な哲学者で武士
お前さんはやっぱり海へいけ!
と、あの人懐っこく笑った笑顔を忘れない
俺は1年な
ユージンスミスのアシスタントだったと
ある日聞いた
戦争の報道写真、そこで悲しみ苦しみ笑う人を
フィルムに焼き付け
最後は水俣へ
海を知ったかぶりをして
海にしょんべんてれて
好きな時に、宇宙服を纏い酸素ボンベで
魚に眩しいストロボを当てパパラッチしていた
自分をクソだと思い
やめた
パラオのオヤジの死を感じたら
やはりいなくなっていた
エナジーの糸が突然切れたのを感じた
海の真髄を知りたい
条件は四つ
海に全てをさらけだし、教えをこう
命のかかる場へ行く
酸素ボンベは捨て、全て裸で行く
頭で考えない
そして海へ片手にカメラを持ち
冬のハワイで泳いだら、やっぱり溺れた
おかげさまで
死ぬ間際の自分とあの世を観た
思わず波に巻かれながら
パニックを変化させると
わざとやっても、気道が閉まるほど溺れないな〜
と嬉しくて水中で胸が躍った
全ては考えようだ
困難も限界も実は自分が決めてしまう
逃げである
死ぬ気で行けば
かえって死なない
数年後写ってしまった青い波
見てはいけないものを見た
きっかけを見過ごさず
自分一人の力で漕いで、泳ぐ三途の川
自分の足と手で
水1かき1かき
水の重さ、温度や流れ
全てを感じてその流れに乗り
流れを利用し前へ下へ上へ
呼吸を合わせる
過去の古い武術の隠された感覚の再来
やがて自然に祈りが則していく