うきよ

波の中は紙一重だ
と言っても言葉が見当たらない

水には紙一重と言う現世の紙という物はなく
周知、透明な水が強烈な早さで硬く迫りくる
水は初めて屈折や離反が起こると
光に影が生まれるわけだ

影とは反射できず
光が吸い込まれた状況である

その瞬間を先に感じて
体を波の中にスーッと入れ込む

波の中は幸せだ
嘘も垣根もない純粋な地球と人間の約束が残っている

集中し生きることを学ぶ

呼吸
心の軸が動かぬよう
なんて、カッコつけた
考えが入り込まぬよう

即決の連続しかない

もし巻き込まれたら死ぬと思うこと
その線に覚悟を載せると
体は自由に動き
案外命を拾ってくれる

撮影はその証明に過ぎない

自分がやりたいのは
この波の中で浮き世を笑うこと

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