印刷所

11月から12月にかけ、京都サンエムカラーさんへ。
今回の西ドイツ製ハイデルベルグという高級印刷機は1枚を5種類のインクで刷って行くのです。5台には色の違う5種類のインクがはいり、それを現場の方々が5台の機械の間に入りながら、ライトテーブルのPD(色のディレクター)さんが微妙な色指示を出し仕上げて行きます。
紙は乾くとインクを吸い込む為、その時々の紙質と厚さを経験値で変えながら、インクを山の様に立たせています。立たせるとは盛るともいわれ、インクもたくさん使用し難しい技術ですが、写真に奥行きがでるのです。
小さなルーペで除いては色のバランスをその都度かえる感覚的な仕事です。
下の写真の銀の板は版下で、1枚の写真に5枚もの板が必要で、それぞれに異なる色情報がのっています。
絵師、摺り師、彫り師、や全体のまとめ役など、実は数百年前の浮き世絵の制作となんら変わっていないのが、驚きでした。
テストプリントの最後に写真家がOKのサインを1枚1枚に書き、本印刷に入る念のいれようでした。
この写真集は紙から製本まで、日本の職人さん達のすべてハンドメイドで創られました。
ずっしり重いのは紙の厚さとインク量が同等のものより多いのです。
おかげさまで、贅沢な写真家みよりにつきる、写真集になりました。
出版社も6年前のファイヤーキングカフェで、個展中に写真を通じ出逢った方と2人でこの本の為だけに作りました。
従来の本の世界にはない手法な為、一般の書店には現在置いていません。
0〜始まった10年後に1つの形が残せた事、人、海に感謝です。
また新しい10年が始まりました。
20101126_9999_16.JPG
20101126_9999_21.JPG
20101206_9999_26.JPG
20101206_9999_49.JPG

Back to list

ページの先頭へ戻る