よきむかし


94,95年頃のバリ島のチャンプアン川で釣りをする兄弟

この頃はまだ、日本の観光客もすくなく
欧米人の旅人がちらほら
高級ホテルもまだなく

ロスメンという安宿の生活排水がそのまま川にながされ
水は汚れ始めていたが

まだまだ昔のバリが残る
渓谷の桃源郷だった

今ではネットでホテルの写真も見れ
予約もできるが
当時は直接行くかしかなかった

ナビもないから 
バリの町の賄賂に腐りきった警官もいない
全部自分の目と足で歩いたから

分かれ道や細々な景色を覚えたもので
人間に大切な感覚や旅の嗅覚や様々
とにかく余計な情報もなく
静かだった

静というのは
けしてとりまく環境の事だけではなく

人と人の繋がりが暖かかった

旅人もわりと一人二人の旅人が多く
何かをもちながら
お互い苦労しながら同じ場所に流れ着いたもの同士

夜、裸電球の屋台でゾウムシの入った飯を食べ自然と話し合い

独り旅の寂しさがまぎれたり

なんだか今でも当時の音が景色となり
胸にのこっている

カメラもフィルムだったから
いつも予備や天候にあわせて色々持ち歩いていた

カメラはCanon Ae1 からNEW F1
シャッターを切るとチンと金属音がした本当の金属のカメラ

今のカメラはカメラではなく電気製品

古い時代を懐かしむのは
おっさんになったからだけではない

沢山の景色と無駄な?写真を写しては
捨て、歩いたあの時代から今迄の
人生のフィルムがどこかに保管されているようだから

ネットがない時代は本当によかった
過剰な便利と高速化した現世の暮らしは
地球の太陽の動きや、雨に包まれる海の呼吸や風や山に住む鳥たちの
時間にはそぐわないにきまってる

なぜなら人工的な人工的時間だから

今人間は
過剰な情報と安易に物が溢れれ過ぎた日常で
見失った景色がある

電子レンジなるものは
はっきりいっていらないのだが

スイッチ一つで電気がつき
自然の強さから逃げた都会の暮らしと溢れんばかりの物質が
人間と地球、宇宙の波動のリズムを忘却の彼方へおしやった

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