2020.04.04 (Sat) はじめは何も知らざる故 (初心は身に持つ太刀の構えも何も知らぬものなれば、身に心の止める事も無し。 人が打ち候へば、つい取り合ふばかりにて何の心もなし。 しかる処に様々な事を習ひ 身に持つ太刀の取様、心の置所、いろいろの事を教へぬれば 色々の処に心が止まり 人を打たんとすれば 兎や角して殊の外不自由なる事 日を重ね年月をかさね稽古するに従ひ 後は身の構も太刀の取様も、皆心のなくなりて 唯最初の何もしらず習はぬ時の心の様になるなる也 「不動智神妙禄、沢庵」