令和短文
口先の世界から、命があやうい、本物の海を知りたかった。
酸素ボンベは捨て, フィンと水中メガネだけで泳いできた。
カメラのファインダーは見ない。写真に色をのせない。1人で行く。
あまりに怖いおもいをしすぎ
泳ぎでた海岸にもどれるように
忍者の呪文でおまじないをする。
海に全てを傾け風の影をさがしている。
人間の一生なんかあっというまでさようなら。
写真は嘘をつけないが、嘘をつかせるのは人間である。
写真の師、柏原誠とユージンスミスを憶う。
あてもなく地球中の波の裏側へいったが、そもそも波なんて物はなかった。
誰も水が何者で、どこからきたのかもわかっていないのように
透明な風がなぜ写るのか?など、人間に永久にわかる必要は無い。
吉野山と伊賀の山伏から教わった祈りを共に、古くから生きる海にたむけること。
つまりは海伏となった訳だ
海は生きている、我々の全てを観て、礼を尽くす人を待っている