天運

2003年のフィジーの最果て
36枚フィルムをつめたカメラを防水ケースにいれて
独りでよく
こんな波の中へいったな〜

怖いもの知らず?
いや初めてから2度目の冬のハワイで
気道が閉まる程溺れ
諦めかけたのが最初

2度目はマウイのホーキパの沖

朝、先月マウイの聖地ホノルアベイで知り合った
シェーパーでプロサーファーの
今は亡きクリスバンダーボートが部屋をノックする

いい波だよ
行こう!行こう!

カメラをセットアップし
沖へ泳ぎだすとドンドン沖へ流れた

波がでかい!
グーフィー(左から右へ崩れる波)の波の
さらに左の岩場に流され
3~4mくらいある波が連続で崩れ
ボコボコに飲まれた

胸にあの2ヶ月前の恐怖が集まり(必ず胸がしめつけられる)
パニックになりかける

まづい!
またか〜?
あの変な怖さがまた胸にす〜っと集まって来た!

落ちつけ!杏橋!

ぜいぜいしながら右へ右へ逃げる

3度目は
フィジーの大雨の沖
天候も潮回りもなんにもみないで
行く!と決めていた日々(自然現象に逆らわず、選ばず雨でも風でも行く!今思えば危険だった)

岸から300~400m沖でひとりぼっち

曇天の空から
振りかかかる巨大な波に巻かれ

2発目まかれ水面にでると

既に頭の上から波が落ちて来ていた!

まづい!
海底に叩き付けられるか、首か背中が折れる!

息も十分に吸い込めないまま
潜るが(気持ちも負け気味!ジャックナイフの体勢もとれず)中途半端に浅くしか潜れず
暗黒の洗濯機に投げ込まれた!

暗い泡と圧力で
肺の空気も全部でてしまった!

苦しくてもがきながら水面を探すが
4発目がきたら、駄目かな!な〜
とぜいぜいしながら水面に顔を出し
空気を吸い込み周囲をみると
波は来てなかった

片手でクロールしながら右へ右へにげて
しばらく浮きながら呼吸を整えた

いままで
幾度も巻かれながら
なんとか切り抜けて来た
全部己の力しかない

しばらく
泳ぎも運も上達し忘れかけてた
あの怖い感じが

数年前、クック諸島のこれまた沖でやってきた

沖迄片道20分片手クロール

やがて膝,股の水深の沖で
どうしてもすこし深くなった海の、崩れる波の向こうへいけず
20分
何度も何度も波をやりすごすが

結局
波に飛ばされ、無重力で足から大きな穴に落ち
左足に激痛がはしった

あ〜ガンガゼ(ウニ)だ〜
と感じ
足もみず

足首で足をクロスし
片手だけで30分かけて戻ると
ブーツを突抜たどくのウニの針が30本以上折れていた
悲しい〜

雨の中原付バイクで30分
宿へもどり熱湯をかけ解毒し
たが針が中で折れ抜けず
悲しい〜

ウニもごめんなさ〜い

話しはながいですが
悲しい〜
連続を幾度も乗り越えると
心はどんどん強くなるようですが

経験が邪魔をする場合もあって
あ〜このパターンは溺れるな〜
これは胸に怖いあのざわざわがきたな〜まづい!とか

より怖さを勝手にどんどん盛り上げる訳です

怖さはどこからくるのか
研究した結果

1 外的要因(でかい波、巻き込まれている今、浅い珊瑚の岩、サメ)
2 1、は普遍的地球や海の日々のリズムです。
  これに、人間が人間のものさしで、心理的内的に怖さを作っています
  人の怖さのものさしレベルは段階がありますが、(泳げる自信、泳いできた経験がないと来ちゃ駄目です)
  
  精神的な平穏とゆるぎにくい覚悟と気合い!が体の力を抜けなくします

3 祈り
  へんな話ですが、神仏に心から祈り、お願いする。
  忍者の呪文を唱える
  印を結ぶ
  気合いをいれ大声をだす

  おまじないが、案外日本人には効きがいいと思います
  笑い

  あくまでもこれは、精神的支えですが
  目に見えない守護はあると存じます

 怖さは自分自身の頭でなく胸がつくってます
 だから心臓がぎゅーっと怖さで縮まる
  
4 で、どうすんの!

  とにかく、前へ前へ、横へ右へ逃げる
  あらがうべきものでもなく
  所詮さからえる力ではなく
  
  覚悟と決めたら決めたで文句は言わない!
 
  後悔無し、失敗なんかこの世になしの境地!
  明鏡止水!

そんなかんやで19年目の今
波へ行きたいが、天候不順で足止めです。

それもこれも天運、天命あり
  
内外無垢、心身清浄、心晴れ晴れ
無生法忍!

  

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