フィルム

フィルムしかなかった

大量のフィルムを買い込んで

空港の税関のX線で被爆しないように

鉛の袋に詰めたりと

撮った後も大事に保管し

日本に持ち帰った

デジタルにはない

見えない

確認できない

その必要もない

という

黄金律の緊張感の1枚1枚に

プロとしての代金を頂けたのは昔の話し

パソコンやスマートフォンが

人間を駄目にする

電気中毒とでも言うのか?

電車に乗れば右も左も携帯中毒者

人間の地球との感覚を奪い

下ばかり向いて

全然周りが見えていない

カメラも今じゃ金属な機械でなく

プラスチックの家電である

カメラの端の塗装が剥げたりなんだり

あの独特な金属音の響くシャッター音も

今ではシャッター幕はないのに、カシャッ!という

電子音で写した気分

光もあってなきゃ

パソコンソフトで調整すれば良い

そりゃ誰でも

いい加減な1枚になる

こうしたフィルムを光にかざし

自らの歩いて泳いだ道を憶いだすのもいいものだ

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