地球を手に入れる事などできない
毎日太陽が昇る
というのは間違えで
太陽の位置に地球がまわる訳だが
絶妙な月と太陽の線で
地球のどこにいても
まんべんなく太陽の光があたり
まんべんなく月を望める
地球の70%をしめる海の水、地下水や川もいれたら
ほぼ水の上に
水の隙間に寄生している人間
飛行機もない時代
仏教では極楽西方浄土の信仰で
海へ小舟でそのまま沖へ
海の彼方の見えない極楽へ
自らの意志で流れた僧達がいたという
いまでは飛行機で
お金と暇さえあれば
地球の裏側へもいけるから
西方浄土の見えない世界感をも失われいる
カレンダーも時計もない
フィジーの離島では
引き潮と満ち潮を知り尽くし
新月の1年に1度
皆がババロウと呼ぶ
色とりどりのゴカイが
珊瑚の浅瀬を埋める
11月のある朝になると
海は子供から大人まで総出で
これをすくっている
もちろん彼らには御馳走だ
生で、揚げてたべる
これは
どうも人間がなんでも知っていて
科学と研究で裏路地まで知り尽くし
この地球で人間が一番だと雄弁をかざす訳だが
そんな馬鹿な話はない。
人は過剰に知りすぎたのか?
36枚フィルムで撮れればよかった
今じゃデジタルになった写真機
いや
もう機械ではなく
家電だから
写真機とは呼べないのかもしれない
まだまだ人間なんて
なにも知っちゃいない
人里離れなくては
美しい世界は写ってくれないのか?
人里離れた地球が
今もどんどん失われていく
人が地球に公害になりつつある
静寂な間に
これでもかと 身を置き
地球の怖さに
これでもかと 身を置き
頭ではなく
胸で感応する歴史が
特にこの日本人には
深く染色されているのだが
ほとんどの人々が忘れている
もう1度足下を見なくてはいけない
何度でも
あらゆる加減ない美しい地球の雨に
傘を捨てて打たれたらいい
誰もがきっと同じ事を
胸に憶うはずだ
胸に秘めていた憶いが
この地球との正しい時間を
憶いださせてくれるから・・・