記憶
肌に暖かさと潮風を運ぶ朝の太陽が、射るように海面に道をつくりながら届いた。
ネイティブは太陽の力と存在を崇拝していた。
全ての部族やネイティブ全体の血と物語が絶えぬよう、その平和と存続を崖の高みに登り祈ったという。
今では後から来た白人により、虚偽と力で征服され、居留区とは名ばかりの「いけす」
にいれられてしまった。
それが今の合衆国なのだ。
荒涼とした乾いた岩山から見ていた時間。
海があれば同じ様な景色なのかもしれない。
日本人はきっと緑の山から同じ太陽を見、祈ったのだろう。
太陽だけが知る記憶。