山の城で祈る

小雨の夕暮れ

700年前にこの地に城と
楠木さんと配下の仲間、忍者が

理不尽なゴリ押しの武力を押し付けてきた
巨大な敵にたちはだかり
返り討ちにした千早城

偽の兵士の人形で誘い込み
巨木や、大石をおとし
60mもの木のはしごをかけ隣の山から
侵入する敵を油の水鉄砲で、火をはなち

兵糧攻めにしようとしても
水を巨大な木舟で用意し
修験者や地元のさんかたちから食料を
裏道から運び

とうとう攻め落とせず
同士討ちもおこした政府軍

ということは
この山の至る所が戦場で
政府軍側のサラリーマン武士の墓場であろう

杉の枝で参道をきよめ
お供え物をひろげ
祝詞をよみ貝をふき刀をふる

楠さん側と、敵側の諸精霊位へ
ゆるしあえるように

する薄暗らい山に風が急に吹いた

1瞬ぞっとした
不思議な感覚がおとずれた
僅かに明るくなった

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