数年前からふりとたちよった
鯖寿司のお店
枡形やさん

京都の出町柳の商店街で100年続く
営業は昼の2時間だけ

仕込みも大変で
その昔は若狭から、塩鯖を山を幾重も越え
1日掛け歩いて運び
ちょうどいい塩加減になっていたらしい
鯖街道の老舗

ある日伊藤若冲ゆかりの相国寺の帰りに
みつけ、去年はじめて寡黙な職人の
おやじさんに前にもきてるね?と

以来、寡黙だが
寡黙でないお人柄もここに来る楽しみに

俺は鯖しか出来ないからな〜
塩の振り方が命がけよ

昆布も職人が手で削り
山椒の葉も若葉の柔らかい部分だけ

水は地下水だ

贅をおしまず
贅をつくし
心をつくしたのは
若冲さんや、あまたの浮世絵師、紙をすいた職人、櫻に木をみつけ切り出した職人、その櫻の板に寸分狂わず髪の毛迄彫った
彫り師、刷り師もおなじ色を塗った版木を何枚も1枚の紙に寸分狂わずたててはバレンで刷る

これが今の印刷のはじまり

贅とは鑑賞者の為のものではなく
作り手がどこまで己の贅に尽くすかのだと思う

写真とて
同じ

浮世絵のように
いつか消えてしまう技術なのだろうか

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