波によばれる
この日の昼間
小舟で別な島の空港へ向かった
すると5人乗りの飛行機の僕の席には
タロイモとおばちゃん!が座っている
俺の席だけど
おばちゃん!というも
おばちゃんは自分の席だと
まったく動かず
パイロットに何を言っても
見ての通り乗れないの
繰り返し
オーバーブッキングもフィジー流
怒こるきはないけど
次の航空機の予定も無いから
ま〜いいや
しかたなく、小舟で1時間かけ
また島に戻ると
あんなに見えなくなるまで
(イサレイ)サヨナラをした皆に
なんでいるんだ?と大笑いされた
ふと夕暮れ近い海に目をやると、この滞在で一番美しい
うねりが押し寄せていた
この為に戻されたと
独り嬉しい大笑い
海には独り
ニュ?ジーランドの青いロングボーダーの
ヒゲのレーンがいた
全てを察しウィンクしながら沖へパドルしていく
やがて静かな海でレンーがこっちに何かをさけび
ミズスマシのように
ありったけのパドルで沖に向った
見れば一列の大きな波が全てをくるむように迫ってきた
どうみても逃げ切れない位置にいる
水面からは視線が低いから
発見がおくれた
なんとか3つめ波まではかわした
が
この後3つの波が空も海も島にそって
くるむように崩れ
全ての空間が水の世界に
暗い轟音の波の下
から僕は水面に浮き上がり
泡立つ海面を探した
もしかしたら6mのなみに
3mの板ごと海底に叩き付けられ
溺れたのではないか?
すると遥か遠くの白く泡立つ浅瀬に
大波に飲み込まれ
叫ぶレーンが浮いてきた
恐るべし波
紙一重の命がけの夕方
その夜島では2人だけ
レーンがフィジーのビールをごちそうしてくれた
思い出の1枚
浜の湯さん6階に飾らせていただいています