生きたふり
海の満ち引きで生きている
潮が引くと、山からおばちゃんや子供達が歩いてくる
珊瑚の上をゴムゾーリで歩きながら
その日のおかずを探すのは、鳥や魚と同じ行為
狩猟である
海の水がなくなると
潜らなくても深い場所に歩いて行ける
銛をもち、釣り糸をぶらさげ、こしにナイフと編んだ魚籠をさげる
必要最低限の考え,準備された道具で
時には海で泳いでかえるから
できるだけ動きやすい格好がいい
それは僕も同じ事で
必要最低限の道具選びが難しい
足ひれの固さは
自分の脚力とずるい泳ぎ方に左右する
長時間泳いでも大丈夫素材か?
緊張感と触覚と感覚の海を漂いながら
幾度も自身に問いかける
電話も
スーパーも
電気も無い島から
人々から
魚から
鳥から
珊瑚から
学ぶべき叡智が
この南太平洋の絶海の孤島に生きている
都会の馬鹿な欲望と電気まみれの
自分が
いったい
得体の知れない何の為に働くのか?
遠い島々へくると
流されながら,生きたふりをした
自分を知る