うみ

遠いフィジーの沖の景色です
誰もいません
もちろん島には車も電柱も電気もありません
波音、崩れる音,水音
水中は大きなぶだいが珊瑚をかじる音
波音、崩れる音,水音がします
水の中の音は耳にお椀をかぶせたように聞こえます
村の水は山の水です
その水は昔うみでした
雨でした
見えるのは緑の妖精がいると言われる山
山は雲をからめながら
独特な世界観で毎日うみを見ています
言葉を越え,誰もが何かを感じる場が世界にはあります
日本人は神聖と言います
およぎながら
僕も山をみています
僕は、なみのうごきを,早めに見ています
この世の時間の動きとはどこか違う動きで
寸前で波をかわします
都会のジャンクな人間界では,その使用法を忘れた感覚で
いきています
そうでないとあの世です
うみの中は,珊瑚やさかでびっしりですが
年々珊瑚礁に釣り糸がからまり,電池がおちています
人を知らない海
石油製品も馬鹿なスナック菓子もない世界が
徐々に汚染されています
その使い方を教えないままに,輸入した外人の異物です
当然この、天然のうみにとって僕もゴミにすぎません
うみの悠久の時間のなかには
溶けこめない事をあらためて知りました
体温をあっという間にうばい
水も,食べ物も無い場です
疲れたからと、腰をおろす切り株も無い、休憩もできない場です
常に漂いながら、自分の力の充電量の塩梅を確認してます
40分ここまで泳いだ以上
戻らなければいけないのです
しかしながら
こうした見た事も無い世界がここにはあります
酸素ボンベもなく、ひたすら泳ぎ,36枚フィルムだったから
見せてくれたギフトかもしれません
海は生きてます
様々な神様がここにいると憶うようになれました
ペコッとおじぎして
一日が終わります
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