幼い頃
ヤシの実のジュースを飲んでみたく
コナウィンドとかいう,缶ジュースを買っては
これがヤシの実の味か〜と
騙された
珊瑚礁の魚達を実際に
南の国で見たかった
やがて眼では見えない
波をフィルムで写し
発光するような青い波を現像して驚いた
フィジーの裏まで3日
南極やニュージーランドが近い海
に一人漂う自分を笑う
タヒチでサメに囲まれ
子供の頃読んだ
本に出ていたように
獲物を狙う時
胸びれを下げて体を縮ませ
歯を見せるのは
本当だと知った
龍の真言を唱えたら
足下の珊瑚の海から
シマシマの子供のウミヘビが水面に
昇って来た
何度も沖で波に巻かれ
肺の酸素が全部出てしまい
4発目が来たら死ぬな
と泡の中で思い
なんとか水面に口からあがると4発目の波は
来なかった
あらゆる波にもまれ
キュウリの塩揉みのような
自分と生きた心地と
そこにいられた今が幸せだった
嘘も無く
本当も無く
うつりゆく太古の地球の時間
町から
遠く
遠くにいかなければ
もう透明な波は無い地球の事実
天然の地球が消えて行く
海岸も無く
落ちたらあがれないコンクリートの
濁りに濁った東京湾
しかし
日本にも青くはないが
独特な光と陰の日本らしさを
含んだ海がある事を知るのは
15年後
灯台もと暗し
遠くにいったから
近くに来た
遠くに行かなくても
近くにあるもの
近くにないから
遠くに行った
始まりと終わりは
同じ場所にあった
頭で決めつける
時間の無駄な事よ
黒板や学校の机からは
知り得ない時間を身を以て
心で感じ知る事
いい成績は
順位と記憶力の競争
プールのタイムはここでは無意味だ
体術
心術
バランス
タオ
陰陽
狛犬
古い地球に生きた人々の
憶いに戻る
そのために
人には儚く美しくも
つよい地球の力を
おかしな今
知っておく必要がある