地球に添う

延々と道がうねる

いくつもの蛇行し濁った川
植林もされていない薄暗い森
車は道路の穴を避けながら
海辺の村へ向かっているようだ
必ず川の近くに村がある
水道も無い電気も無い昔ばなしの暮らし
雨水をため,川や海の砂で鍋や皿をあらう
主食はサゴヤシの粉を竹筒で蒸したものや、それを固めたサクサク団子、タロイモ
毎日毎日これだから、ビタミンや栄養不足の子供も多かった
大人はみなビートルナッツの実を噛み、そこに石灰の粉をかけると
苦い覚醒する真っ赤な汁になる
家も全て自然と(この国にはいらない言葉だ)地球の木々でできている
よくみればヤシの葉の壁が幾何学模様を編んである
それに比べて自分の家はどうだ
何一つ自分で採取して作ったものなどなく
植木鉢まである
全て値札にまみれた、ジャンクな電気製品に囲まれ何の為に
働いているのやら
安全で地球の雨風の心配がないから
余計な事をし
余計な物を買う
水槽で魚も飼ってみる
アホな情報がなくていい
地球と呼応し生きる為に編んできた時間が
この村であり、大切な歴史と伝統と風土に生きた時間である
水槽で飼われているのは魚ではなく
実は都会の人々なのだ
ie2.jpg
ie1.jpg
ie4.jpg

Back to list

ページの先頭へ戻る