25〜27
手前が牛で奥が羊。どこへいっても外来種羊の数の多さと寒さには驚いた。国全体が牧場のようだった。帰国に向け街の宿を予約し、フードコートへインドカレーを食べに行く。
日本人に身近な仏教も仏も、そもそもインドから人の手で輸入された思えば、インドカレーに足が向くのも自然なのかもしれない。
もっとも空海が密教と同時にインドカレーを広めたら、村々で小麦でチャパティーを焼いていたかもしれない。わらじにもんぺ姿のお百姓や、花魁が袖をまくり、カレーを右手で食べる姿は粋なのだ。弁当も平面な三角のおにぎりではなく、三面体のサモサでもいいもんだ。仏像もしかり、この立体的な思考がうまく神道に混ざったのだろうか?
まだ暗い4:00に飛行場のカウンターに行くと、またもやオーバーチャージ!
冷たい銀色の台になんとなく優しく置くが、冷たいデジタル計が冷酷にきっちり計量。
オークランド〜成田で350ドル頂戴と言われた。(10kgオーバー)
今回、行き帰りでオーバーチャーが全部で5万円もかかったのは痛い。
ほとんどはニュージーランドの出入国で発生!した。
フィジーでは、まるでタロ芋を計るように雑談を交え、60ドルおまけしてもらい80ドルになった。そんなフィジーがやっぱり好きだ。
カツオ鳥が何処からともなく現れる。生きた森も生きた海とも別れ、電気仕掛けの飛行機の中に密閉され、運ばれる中、食後に年配のスチュワートの方に、チーズとワインはいかがです?と聞かれた。
酒も飲めないしいつもならお断りするのだが、なんだかそれもいいかなと、受け入れる。
途上、荷物を失された場合を考え、手荷物に入れた、マジックで日付けを書いた、冷たい金属のフィルムを見ると、海に共に行った唯一の証しのような気がした。
帰国後、数年ぶりに逢えた写真に笑うリックは、なんだか大笑いする仏像のようだった。
なんだか懐かしくなり、なんども戻りたくなるのだ。厳しい波の中から戻り、彼らに逢う事で僕も救われているのかもしれない。と思った。