8年
新しい車が増え、古いピックアップが少なくなった
高速をあおり、ウィンカーを出さないくるまが増えた
人が増えた
これが8年ぶりのハワイの印象
あれほど来ていた海岸の道の入り口を忘れ、何度も通りすぎた
昔いたレセプションの女性は休みらしく
薄暗い2段ベッドのシェアルームのキーを渡された
日暮れに部屋に、無愛想なバイクで来たらしい白人のおやじがいた
リビングにビールとすしを食いかけのまま、どこかにいった
朝オフィスに呼ばれると
その女性がいた
当時と変わらぬサバサバしたエネルギー
「ごめんなさいね
Wブッキングで別な部屋を案内したらしいわ」
海沿いの部屋でようやく落ち着いた
昔のようなシェアルームは面倒だと感じるにも8年
昔毎冬泊まっていた部屋を見に行った
木の家はそのまま、緑の中にあった
このテーブルで毎晩、泳いだ波との感触をしるし
この階段から裸足で海辺へむかった
溺れて死にかけた日に戻った場を歳月がいっそう懐かしくした
案外広いとおもった部屋が小さく感じさせた8年
蝉も8年土で暮らし、地上で7日羽を震わせ命を終える
時間は続く