無言

瀧を浴びて戻ると
さっきまで空いてなかった木立の場所に
車のスペースが空いていた
誰かが山から下りたようだ

いつ来ても独特な雰囲気だ
木立に囲まれ、目の前の
白糸の滝の飛瀑の音に包まれ
この厳しい山の頂上の、龍神池と敬慎院を目指す

米や灯油や資材を運ぶ、ロープウェーはあるが
人間はお坊さんも、おじいさんもみな徒歩で登る

薄暗い延々と登りの山道
すれ違う人々と声をかけながら
無言で登る

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