今では排水路と化した目黒川の東京湾の注ぎ口付近
蛇行した川を埋め立て真っすぐにしたらしい

祖父が幼い頃は鮎も登る
美しい土手の川だと聞いた
それも大正時代

しかし川の周囲にはあまたの神社と神様が
その時間を見つめながら
じっとその場で人々の憶いを見つめてきた

のだが
神社もそもそも人が作ったものである

口を開いて宇宙の始まり「あ」と言いいながら
海を昔は見つめていた狛犬の先は家が建ち並ぶ

ご存知の通り
左の狛犬は口を閉ざし「ん」である
あうん 呼吸とはこのこと

アロハと同じな訳だ

川も海もそれよりも遥か昔からあり
魚も亀も貝も海藻も
海という有機体と共に適材適所で
完全なる調和と互いを破壊しない
バランスで生きている

独りフィジーの離島に大海に漂うと
明らかに自分は異物であり
人間の命など簡単に消え失せると知る

1度でも染み込んだこの感覚は
記録されている

そのあたりが,人間と地球の大事だった
線であろう

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