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今から10年前
独り何かを求めて小舟でここに来た
正確にはこの近くに来たと言うべきだろう
見た事も、聞いた事もないスケールの全てが怖かった
リング上に島を囲みながら崩れる波の壁に、近づく事さえ出来なかった
なによりもここが、神々しい聖域な事はすぐに感じた
通い慣れた誰もいないこの沖合で、海の音しかないここで
透な硬い波動の闇に引き込まれ命が終わりかけた
陸地から500m程の外洋の切り立つ珊瑚の崖
鮫もバラクーダも、ウミヘビもいる
儚い美しさと、恐怖の暗い淵に戻りバランスを取り戻している
写真は証拠であって、ありのままの姿が写る
このかざらない、ありのままの力を憶い続ける気持ちが
ここにまた戻っていくようにと、背中を押す
今年は6月〜7月頃に戻ろうと思う