きわどさ 

どうしても心から離れない時間がある
標高2000mの徒歩でしか行けない
七面山の籠もり修行僧達20人の
強烈な祈祷とお祓いに
どうもこうも涙が出た

真摯で純粋な彼らの気持ちが
俗な世間の我々をふと
立ち止まらせた

今をかえりみない
かれらの捨て身の祈りと
おしみない優しさに
日本人の崇高なまなざしを観た

徳川があみだした檀家制度やブランド宗派の振り分けに乗じ
それらを匠にを悪用しここぞとばかり戒名や墓代
ゆすりとる都会の坊様
どうかうちを御贔屓にと
仏具屋、墓石屋、葬儀屋、料理屋から
の手渡しの御礼金

一度そんな泥沼の蓮池に落ちたら誰でもあがりにくい
愕然の差は,つまりは修行と心のありようである
今の仏教界はどうしたものか

最澄や日蓮や空海さん
ら当時の博学な哲学者により輸入され
日本独自に創作された仏教の浅い歴史の前には
神道さえも届かない地球への信仰があった事実はいなめない
そこにある日人間の形に似た仏像を置いて
拝むうちにそこに,仏や神様が居着いてくれる事も
あるのだろうとは想うが

美しい山河や
悠久の景色がなければ
日蓮さんもこんな山の中いいな〜なんて
想えないのだから

まづはいい訳抜きに
この地球と森羅万象が大切である
ビルの隙間じゃ育たなかった宗教

それに比べ今の我々はどうだ
心が地球から離れ、無関心になればなるほど
地球をぶっ壊し
底なしの欲で自らも破壊して行く有様

本当は宗教なんかいらない

宗教はマインドコントロールしやすい
ツールとして悪用すべきではないのだが

そこが際どい
海で波音を聞き
川で川音を聞き
山で瀧音に包まれ
なにが大事なのかを憶いだす

国産の御影石の墓石も
結構な文字数の多い戒名も
生き残った人々の見栄である

大切なのは
その人たちと笑い過した
暖かな時間である
消すことの出来ない時間を
忘れずにいれば

死して生きるにつながる訳だ

都会の坊様はそんな蓮池にスタック!

写真は嘘をつけない

これが彼らの矜持であり
我ら日本人のDNAに組み込まれ
さけられないサガである

きわどさを知り
そのきわどさを越えない心

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