修験
フィルムをつめ
目の前の山から
サボテンがまばらに生えた
赤土と岩の崖をジグザグに降りて
泳ぎだす
目の前の崖下には
洞窟があり
飲み込まれないように
なんて言われたが
こっちはそれどこではない
常に飲み込まれている
そんな中
いつも巨大はうねりのセットに
乗るこの散切り頭のおじさん
笑顔ですれ違い
逆の波の上から撮ってみた1枚
後に
彼がここのローカルで王族の血をひく
方だと知る
泊まっていたホオーキパの宿から
車を飛ばして1時間
5時間も泳ぐ日もある程
特上で
上級な波が
打ち寄せる
不思議と心地よい
幸せに満ちた場だった
ラジオも
インターネットもない時代
地球の流れに身を置いて
感覚と感で
生きていた時代
彼らが体の感覚と
強い精神で滑空する
2度と同じ波が無いように
この一体感こそ
修験である