忘れぬように
ビルも消波ブロックもなにもない景色に
太陽が山の向こうへ消えていく
夜をむかえる静かな海で、光のケルビームに包まれた
魚達も珊瑚も毎日見ているんだと思うと、人間の見れる景色など
人生で僅かな時間に過ぎないのだ
旅へでないと、見れなくなった世界を
旅へでないと、感じえなくなった闇を
過剰な便利に住む我々は、忘れてはいけない
忘れる時間だけ、心が美しいものから離れてしまう
人間がつくりだした物ではない、かざらない美しい時間の中で
人は感応しなくてはいけない
静かな闇を楽しまなくてはいけない