ボール

水にも空にも色はついていない。
子供の頃手ですくった海の水を、見ているように。
この地球は不思議と極限のない美しさがつまったボールだ。
地球が丸いように、波とよぶ島に寄せる波動も、水の中では丸くなる。
厳しくもどこか優しさに溢れた青い雲。
空の雲も宇宙から見れば、海の中とは逆にしたお椀の様に丸く地球を包んでいる。
全ては海を境に青く丸いボールになるわけだ。
体を包んでくれるのは空間と水間しかないように、H2oの構造しかり。
水と空気は常に一つである。
血液の成分が海とよく似ている事など、人はこの海であり海の子供なのだ。
命の風の道を唱ったナバホ族の祈りの歌を、20年前オーストラリアの本棚に見つけた。
北山耕平氏と彼らがうたい伝えてきた言葉は、言い表す事が出来なかったが、まっすぐに
心に響き、知っていた記憶を憶いださせてくれた。
その人達に生命をあたえたものは風
今 私達の口をついて出てくるのも風
風がくれた生命
風が止む時私達は死ぬ
今でも指の皮の下に風の道が見える
私達の祖先が創られた時
風がどこに吹いていたのかを
それはいつでも教えてくれる
            ナバホ族に伝わる古い祈りの歌

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