夜光
後ろから来た光が物体にあたり
反射し見えるから
我々が透明な水に住んでいたら
魚がまるで
鳥が飛んでいるように見えるが
鳥は飛んじゃいない
鳥が飛ぶのではない
魚が泳ぐのではない
波は沖から来ちゃいない
たしかに何らかの
摩擦とズレなより
動いているが
そのものは動いていない
アインシュタインの相対性理論じゃないが
昼間も見えるが
夜しか見えない星の輝きは
10億年前の爆発を
ようやく届いた光を
今見ているだけ
つまり
今は無い物を見ている
我々は物を見ている様で
実は時間差で反射を見ている
光が前からだと影を見る
この静寂の龍が住む池と山寺に
夜光を探す蛾のように
下界から来た我々は
黙々と頂きを目指し1000年?
体とズレのない
自分の影は見れないのだが
なんとかそんな
一条の光陰と
本当の影を確かめる為に
里や町を離れた
大自然の中で
寂静な祈りが必要だったの
かもしれない。
我々は夜光に集まる蛾と同じく
引き寄せあう
光と影に全てを投じる訳だから・・・・