漂泊
2006年
サモア諸島の夕暮れでの事
2002年に初めて訪れるフィジーの離島へ向かう為
5時間程空港で乗り継ぎを待っていた
そんな時空港で出会ったボディーボーダーのハワイアン達
聞けば偶然にも同じ島で同じ日数滞在
なんだか同じ飯を食い
同じ波に向かった
やがてそんな彼らが波の旅に行かない?
と誘ってくれるようになり
彼らのハワイの家に泊まり
共に5時間と1泊し
ジャングルを2時間
川の横に立つサモアサーフキャンプの小屋についた
フィジーもしかり
よくもまあ彼らは辺境の波を探すものだと感心した
遥か沖の波迄は600mはあるため
小舟で沖から回り込む
船は横波をくらうと転覆するから
随分とは慣れた場所で皆海に飛び込み
ポイント迄泳ぐのだが
深い海溝を泳ぎ浅い海底に行く迄が気持ち悪い(サメがいそうで)
ここは年中水が濁り海底がいまいち見えない
浅瀬は奇麗なのに川のせいか濁り
とにかくサメが怖かった
実際に深い場所を泳ぐと
嫌な予感がしたので
振り向くと大きな魚が数匹
足ヒレの泡に反応し青い深みから
一気に足ヒレを狙い泳いできた!
コラッ!というと逃げるが
しばらくすると又狙いにくる
これだけ大自然の中で餌を口でとるには
そうとう鋭利な感覚がなくては
餌にありつけないのだから
仕方ないと知るが
俺はルアーだなと
笑う
このころはフィルムで撮影していたので
36枚に凄い集中していた
これもその最後の1枚
みんなが夕暮れで船に戻るが
僕だけ30分程
なんだが気になり
サイズダウンした波間を漂っていた
そんな時
沖から来た波を水面で
なぜか後ろ向きに
太陽に向かい反転し
押したら写っていた1枚
現像後
最後のゴールドの1枚を見て
驚き
あ〜これを撮らされたんだな〜と
独り微笑んだ
気になる事があれば
そのまま気にする事
他人がどうじゃない
何か感じたら
そこにゆだねてみる事
すると
今迄の常識や狭い良識の規格外の
嬉しい新たなドアが待っている
間違いない
信念を持ち
結果を気にせず
漂う事