箱庭から出る
波の裏へ
もう23年が過ぎました
以前は海外の波に憧れ
知りたい、見たい の好奇心で
毎月、青く透明な波を探していました
でも、数年前から日本人でありながら
日本の波には何かが、あるのではと
青い波に飽きてしまい
いい波にはサーファーも多く
写り込むため、どんどん南へ行きました
そして
ふとしたある日から、日本の波へ
水が海外ほど澄んでいないので
最初は大雨の日に泳いでみたり
夕方、夜明けの波へ
雨が降ると、川が多い日本の海はすぐに濁り
夜明けに冬の海へ入るも撮れない日もありましたが
この数年に比べたら
海は落ち着いていて、風も雨も少なかった
地球が壊れているのかもしれません
今年はさらに、気象が難しく変わります
普段のバレリーナの撮影もありますので
撮れる時は撮れるわけですから
いいかなと思ってます
人と波は風のようなもの
一瞬先に波動があります
キラッとする先に押す感じが
波と同じだと最近感じています
基本的に写真はファインダーは見ないので
目で見た感覚とレンズの画角が染み付いているので
いきなり押します
ファインダーを見ると
写真を捏ねて、作ります
いいのを撮ろうともがき
狙い始めると
もう気持ち悪い1枚に
ピントだけ見ますが
僕は普通の写真家より押すのが早いそうです
頭で考えるように育てられた養殖の学校から
大海へ出れば、感覚というか触覚に近い風を感じて動きます
頭や知識では死にます
古武道のように波打って動く
波は1秒の0,02秒 人間には見えない世界です
よく広告で5感とか言いますが
人間は無限大のアンテナや感覚機能があり
それを司るのは頭ではなく、胸です
現実世界では指先やうねりを使います
これを体術と言います
もちろん、無意識でありながらも
意識的な冷静さ、勇気とつ強い軸も必要です
溺れようが、波に飲まれようが
自力しか通用しません
嘘も指値も掛け値もない、自然での時間が
人を育てると信じます
教室は所詮、箱庭です