海が道場
子供の頃海を教わったのは山口県の無人島
大人になり再来すると
海の海藻がなくなり
ウニも貝も魚も減っていた
毎日電車とバスで網と生け捕った後のビニールのバケツを持ち
海の家に帰ると
おばあちゃんが新鮮な魚の料理を捌き、作るのをみて
だしや穴子の頭や骨のつめの味見をさせてもらうのだが
おばあちゃんのどう?と言う真剣な顔を覚えている
刺身やオニオコゼの唐揚げをたらふく食べる
魚しか食べない1週間
夢の国だった
水辺が好きだった
プールは大っ嫌いだった
塩素くさく、魚もいない
不自由なルールと強制収容所の様な箱の
苦しさ
クラスのいや白金の都会の学校中の子供で
本当の海を知っていたのは今覚えば、僕だけだったのかもしれない
そんな僕も32歳の時に本当の海を教えてもらいに
さらに厳しい波の中へ
命を捨てる覚悟で泳いだ