間が大事
迷いはないこと
体が自然に動く

少し先に感じるとは

言葉は難しい

同じ波はない
角度も水素の塊の束の大きさも
スピードも違う

なるべく遠くから
波を見つめ
水面を泳ぎながら
波が崩れるであろう最高の位置と
自分が間に合うか?
間に合わないか?

同じ場所では撮れないから
常に波に合わせて水面を片手でクロールし
波から目を離さない

89年オーストラリアのライフガードの資格教習が
命を幾度と掬い上げた

ギリギリまで波を水面で見て
懐に入り
水中で逆さまに回転し

カメラを持つ腕を波にさかわらず
顎を弾きながら

体の水中での位置や浮かび上がる惰性を
感じつつ手首の角度で
崩れ去る波へカメラのレンズを向けて押す

一瞬のことだが
説明文にすると
こんな感じです

陸地の人間界では
時間の使い方が違う

めっぽう早い
恐ろしい大量の水の雪崩に身を投じる

アドレナリンと
心地よいスッキリ感

これだ
これこれ

生きた心地を
すれば人は、宇宙の潮騒に胸をかたけ
寄り添う

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