人間を捨てる


Works の写真を一部入れ替えました

遥か沖の海
岸から400~500メートル沖迄
片手と両足で泳いで行く

片手というのは右手は4〜5キロのカメラケースを握っている
海では浮力のおかげで重さは感じないが
水の中でもその抵抗はすごい

手首が逆にねじれ折れそうになった事もある
あまりの水圧で、ナイロンのひもが切れた事もある

シュノーケルもつけない
あれは事故になる上、波の抵抗で水中メガネがちぎれる為だ

15年前酸素ボンベを捨て
なるべく簡素な道具だけで行く事に決めたから

問題が常に起こる状況で
余計な問題を呼び込まない為にも
口で肺に吸い込んだ空気が全て

巻かれても,引きずり込まれても
ひたすら息を止める事
この約束を破ると海水が肺に入り
溺れ死ぬ

物理的な道具と体の問題なのか?
それとも精神的な問題なのか?
瞬時に知り臨機応変に対応したいのだ

すごく臆病であり慎重でいながらも
瞬時に決めたら迷わず力一杯向かう事

透明な水が瞬時に轟音とともに全身に圧力と
暗黒の闇に包まれる

経験は大事だが
経験がその恐怖を呼び起こす

空が見えなくなれば
急いで沖へ向かい鋭く潜る

泡の中で何も出来やしない
ただひたすら頭が上に向くまで待ち
暗闇から光が見える水面へ向かうのだが
気を失いそうになる程苦しい

空気を吸いに口から水面へでると
大波が頭上から降り掛かる

これを受けたら背骨が折れるから
アゴを引きながら,瞬時にひねりながらジャックナイフという潜り方で
体を斜めにしてその力を逃がしながら
ひたすら潜る

正直
相当水に慣れ
それなりの覚悟と
強い気持ちがないと

身も心ともバイバイだ

ありとあやること
ありとあやゆる術
ありとあやゆる言葉で

地球に頭を下げ
無になる

無になろうとすると
無になれない

撮ろうとすると
絵をこねて
人間臭い気持ち悪い写真が誕生。

気持ちを強く持ち
自分から逃げない事
大波から心を逃がさない事

きみまろじゃないが

ハワイで気道が閉まる程溺れて
あれから15年

地に足がついた世界で
怖いものなんてなくなった

命のやりとりに
光を探した・・・

あまたの政治家先生のように
「記憶にない」なんて
恐ろしくて言えない。

嘘と人間を置いてこい。

生きたいと願う事
精一杯好きに生きる事しかない
と知る

理論や科学の向こう側
学校という畜養生け簀の外であり

教科書を暗記した大人の
教室や机では絶対に教われない

人の道が
地球との義が海にはあると
信じている

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